最近グルテンフリーを謳う商品をよく見かけます。海外だけのブームかと思っていたら、近所のスーパーにも並ぶようになりちょっと驚いています。

ここでは、グルテンとはどういう成分なのか、グルテンフリーのメリットなどを考えていきたいと思います。

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グルテンとは??わかりやすく化学的に解説

グルテンは、「グリアジン」というタンパク質と「グルテニン」というタンパク質が結合してできる複合タンパク質です。グルテンは、小麦粉に水をいれ混ぜると形成されるとされています

グルテンの形成には、いろいろな相互作用が関与しています。なかでもジスルフィド結合の形成が重要な役割をもっています。ジスルフィド結合とは、硫黄(S)同士の結合のこと。ジスルフィド結合は、たんぱく質が「姿かたち」や「機能」を保つ役割があります。

ジスルフィド結合には、「システイン」というアミノ酸が深く関わっていて、システインが酸化されるとジスルフィド結合を形成します。ジスルフィドはたんぱく質以外でも、私たちの体の中でも重要な役割を担っています。抗酸化作用をもつ「グルタチオン」という成分を聞いたことありませんか??

グルタチオンはシステインを持っていて、自身が酸化されジスルフィド結合を形成することで、他の細胞等が酸化されることを防いでいます。身代わりになっている感じですね。他にも、ジスルフィド結合はタンパク質でよく見られる結合で、髪の毛や爪などに多く存在しています。

髪の毛の主成分である「ケラチン」は多くのジスルフィド結合を持っています。髪の毛、固いですよね?このように、ジスルフィド結合は硬さを与えます。パンやパスタでも、この小麦グルテンのジスルフィド結合によって弾力が得られるのです。

ジスルフィド結合は、システインが「酸化」されることでできます。「酸化」は空気中の酸素でもされますが、そうそう短時間で進むものではありません。綺麗な10円玉を空気中に置いておいても、すぐには錆びませんよね。ですので、他の何らかのジスルフィド結合を形成する要員が必要です。

小麦では「プロテインジスルフィドイソメラーゼ」という酵素が働いてジスルフィド結合を形成すると考えられています。パンでは、その他にも酸化を促進する「臭素酸カリウム」や「デヒドロアスコルビン酸(酸化型アスコルビン酸、酸化型ビタミンC)」といったものが加えられます。加えるのと加えないのでは大きな違いがあるみたいです。

グルテンは、なんか良くない物質というイメージがありますが、一概にそうは言えません。確かに、グルテンが体に合わない方もいます。しかし、そうではない方にとってはあまり気にする必要はないように思います。



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グルテンフリーなら糖質もフリー??グルテンフリーダイエットとは??

グルテンフリーとは「グルテン」というタンパク質が入っていないことを意味します。ですので、他の小麦成分は通常通り入っています。つまり、小麦の主成分でる「糖質」はフリーではなく、しっかりと入っていることになります。ですので、グルテンフリーだけではカロリー的にはさほど変わりはありません。むしろグルテン摂取に問題がない方にとっては、たんぱく質が除かれているため栄養価が下がっていると考えられます。

グルテンフリーダイエットは、痩せる目的での「ダイエット」ではなく、英語の「diet(食事)」という意味です。つまり、グルテンフリーの食事という意味ですので、ダイエットとは全く関係がありません

グルテンフリーのメリットは、小麦グルテン摂取に何らかの問題がある方でも安心して食べられることでしょう。

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【よく理解しないと危険】グルテンフリーの注意点

小麦はアレルギーは、小麦のたんぱく質がアレルゲンとなり発症してしまいます。その小麦アレルギーの1つに「グルテン」があります。

注意したいのは、グルテンはあくまで小麦を形成する多数の成分の一つであって、小麦全体を指すものではありません。例えば、「グルテンフリー」と表示されているものは、グルテンが入っていないだけですので、グルテン以外の小麦成分は入っている可能性があります。「小麦アレルギー=グルテンアレルギー」ではありません。注意が必要です。


【参考】

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